グローバル企業の事例から学ぶ国際課税についての勉強会
月例の社内研修として、7月は関東学院大学法学部の山田有人教授を講師にお招きし、 「国際課税―スターバックス、アマゾン、アップルの税務戦略の比較」をテーマにご講義いただきました。
山田教授は、『歴史と事例で学ぶ 租税法入門』(税務経理協会)の著者でもいらっしゃいます。講義の冒頭では、同書の表紙にも描かれているマグナ・カルタを起点に、国王による恣意的な課税を制限してきた歴史が、イギリスにおける納税者の権利や税の公平性に対する高い意識の礎となっているとのお話がありました。この歴史的背景を知ることで、トラス政権の減税策に対して世論から強い反発が生じ、金融市場が混乱したことや、過去のスターバックス社の納税姿勢をめぐり抗議活動が行われたことについても理解することができました。

講義では、グローバル企業の事例をもとに、移転価格税制、恒久的施設(PE)、BEPSプロジェクト、グローバル・ミニマム課税などについて、制度の背景と実際の企業行動を結びつけながら解説いただきました。有名な巨大なグローバル企業がビジネスモデルや組織体制を構築する段階から、各国の税制や租税条約を踏まえて税務戦略を検討している事例は、特に興味深い内容でした。
後半では、アメリカのディズニー社などを題材に、キャラクター、ブランド、著作権といった無形資産を企業価値の源泉として活用するエンターテインメント業界のビジネスモデルについて学びました。
税務を企業戦略や事業活動と一体的に捉えることの重要性を知る機会にもなり、大変貴重な講義でした。

