新たな子ども・子育て支援金制度と日本の産前産後休業・育児休業制度

新たな子ども・子育て支援金制度と日本の産前産後休業・育児休業制度

令和8年4月から「子ども・子育て支援金制度」が開始され、医療保険を通じて社会全体で子育て支援の財源を負担する仕組みが導入されます。会社員などは加入する被用者保険で、基準となる給与額に一定の支援金率(令和8年度は0.23%)を乗じた額を労使折半で拠出し、給与から医療保険料とあわせて控除されます。

集められた支援金は、児童手当の拡充や出生後休業支援給付など、子育て支援策の財源として活用されます。

日本の産前産後休業は、産前6週間・産後8週間の合計14週間で、国際労働機関(ILO)が定める最低基準と同水準です。OECD諸国と比べても平均的ですが、日本の特徴は、その後に続く育児休業の長さと所得補償の仕組みにあります。

育児休業給付は、開始から180日までは賃金の67%、それ以降は50%が支給され、この水準と期間の組み合わせは国際的にも比較的手厚い制度と評価されています。

さらに重要なのが「手取り感」です。育児休業給付は非課税で、申請により社会保険料も免除されるため、名目上の給付率以上に実際の手取り額が維持されるケースが少なくありません。2025年4月に創設された「出生後休業支援給付金」では、一定の要件を満たすことで最大28日間、給付率が80%相当まで引き上げられ、実質的に「手取り10割相当」となる設計が導入されました(*)。

制度は大きく整備されつつありますが、実際の活用を左右するのは職場文化や運用です。育児休業が「取れる制度」から「自然に使える制度」になるかどうかが、今後の重要な課題といえるでしょう。

(*)給付には上限があり、高所得者層では休業前の手取りを大きく下回ることもあります。